いなげやグループフィロソフィとは、 いなげやグループが、どのような哲学(経験から生みだされた人生観)で経営されているかを示す規範であり、社是・経営理念を中心としたものです。
はじめに
1900年(明治33年)の創業以来一貫して「まずお客様ありき」の精神のもと、「すこやけくの実現」「商人道の実践」を経営理念として、お客様第一主義に徹した商いを実践しております。また、いなげやグループ各社においてもこの経営理念を共有し、事業活動を展開しております。
2003年11月、いなげやグループ各社が目指す経営姿勢やお客様対応などに関して、従業員が守るべき規範となる「行動基準」を策定いたしました。また、2016年4月には新たな関連法令の施行などにも対処した中で、「いなげやグループフィロソフィ」を作成し、時代の変化とともに改定を行っております。
昨今の企業を取り巻く環境において、法令遵守及び企業の社会的責任の重要性がますます高まっております。コンプライアンスに基づくコーポレートガバナンス体制の構築と環境保全及び地域貢献などを着実に実施し、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に取り組むことで、お客様から支持される企業であり続けてまいりたいと考えております。
1.いなげやグループフィロソフィ
グループ社是
いなげやグループは販売を通じ広く世の中に奉仕し会社の発展と従業員の幸せを常に一致せしむる事をもって社是とする。
グループ経営理念
すこやけくの実現
お客様の健康で豊かな、暖かい日常生活と、より健全な社会の実現に貢献する。
商人道の実践
お客様のお喜びを、自分自身の喜びとして感じることができる人間集団。
グループ考働指針
-社是・経営理念に従って考働するときに忘れてはならない信条と志-
- (1)「いなげやグループ」の従業員は常に、「新鮮さを・お安く・心をこめて」を心がけ、考働する。
- (2)「いなげやグループ」の原点は「お店はお客様の為にある」「本部はお店の為にある」という正しい哲学である。
- (3)「いなげやグループ」は食を通したお役立ち業として地域社会に貢献し、未来のライフスタイルを創造・提案できる企業集団を目指す。
- (4)「いなげやグループ」はステークホルダーとの永続的な成長・発展を目指す。「自分達さえ良ければよい」という考え方は、一切持たない。
- (5)「いなげやグループ」のマネジメントとは、当社グループが社会におよぼす影響に正面から取り組み、様々な問題の解決に寄与することである。
- (6)「いなげやグループ」は本部計画を土台に、地域に根ざした一店一店が独自で個性に溢れたお店創りを目指してゆく。
- (7)「いなげやグループ」は、全員で「人の為につくすことを最大の喜びと出来る最も格調の高い人間像」を目指してゆく。
- (8)「いなげやグループ」の看板は従業員であり、お店の従業員はプロ意識をもち、食の専門家を目指してゆく。
- (9)「いなげやグループ」は「商品力+人間力+全員参加」で徹底力と執念を持ち仕事に当たる。徹底力と執念があるから一つ一つの仕事の積み重ねが「知の集積」となり、結果につながる。
- (10)「いなげやグループ」はフィロソフィをベースに、イノベーションをし続けることで将来ビジョンを創り上げてゆく。
- (11)「いなげやグループ」は常に額に汗し、努力し、日々向上を考える、立派な社会人、立派な市民、立派な国民を輩出してゆく。(グループが目指す最終的な人財像)
2.グループ考働基準
-考働するうえでの原則・ルール等であり職場で守らなければならないこと-
(1)お客様との関係
私たちは、お客様第一主義の実践に徹し、価値ある商品とサービスの提供に努め、お客様の「健全で豊かな食生活」を提案し続けます。
- ①安全・安心な商品、サービスの提供
安全で安心な商品をお届けするため、常に責任を持って品質・安全管理に努めます。また、店舗設備等の安全性にも配慮します。 - ②心のこもった接客の実践
お客様への感謝の気持ちを忘れず、自らの発言・考働に責任を持ち、誠実なお客様対応に努めます。 - ③お客様のお声を尊重
お客様からのご意見、ご要望等を正確に把握し、真摯に対応いたします。 - ④商品に関する適正な表示と情報提供
お客様に誤解や誤認を与えない、正確で適切な表示及び情報提供をします。 - ⑤お客様情報の守秘義務
お客様から取得した個人情報は目的の範囲内で利用し、適正に管理します。
(2)お取引先様との関係
私たちは、取引に関係する法令・ルールを遵守し、お取引先様と公正な取引を行うとともに、節度ある健全な関係を保ちます。
- ①公正な取引
お取引先様との取引にあたっては、関連法令(独占禁止法、下請法等)及び社会的ルールを遵守し、取引条件等を明確に提示し、対等な立場で公正に契約を締結します。 - ②健全な関係の維持
お取引先様とは対等の立場にあることを認識し、ともに成長することができるよう誠実な取引をします。
(3)株主様との関係
私たちは、健全な事業活動を通じて利益ある成長と株主様への適正な利益還元を目指します。
- ①経営情報の適切な開示
会計記録の正確性を確保し、いなげやグループの経営状況、活動内容等について適切な情報を速やかに開示し、経営の透明性を保持します。 - ②経営への要請
株主様から寄せられるご意見やご要望等を真摯に受け止め、業務の改善に役立てるよう努めます。 - ③インサイダー取引規制の遵守
インサイダー取引が発生しないよう、ルールに従い情報管理を徹底します。
(4)従業員との関係
私たちは、すべての従業員の人格・個性・能力を尊重し、個の力を結集して活力ある職場をつくり、従業員の健康促進と安全で清潔な働きやすい職場環境の実現に努め、ダイバーシティ推進により様々な環境変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業の成長と個人の幸せを実現してゆきます。
- ①個人の尊重
いなげやグループで働くすべての人の人格と個性(人種・性別・年齢・障がいなど)を多様性として認め尊重します。 - ②健康保持と促進
従業員が心身ともに健康でいきいきと働くことができるよう、健康保持と促進に努めます。 - ③安全で清潔な職場環境の維持
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底し、安全で安心して働ける職場環境をつくります。 - ④公平で公正な評価と処遇
一人ひとりの役割・職務と成果に対する公平、公正な評価・処遇を行い、個人の能力を活かせる人事に努めます。 - ⑤法令・社内規則の遵守と通報義務
法令や社内規則等各種ルールの内容を理解し遵守します。業務にあたって不正行為をするよう強要されたり、不正行為に気づき職場内で解決できない場合は、従業員通報・相談窓口に通報又は相談することとし、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス及びコミュニケーションツールや電子掲示板などのインターネット媒体も含む)による情報発信は企業秩序を維持する目的から行いません。 - ⑥機密情報の取扱い
在職中、退職後を問わず、業務上知り得た機密情報(お客様・従業員等の個人情報、社外に広く公開されていないすべての情報)は厳重に管理し、所定の社内手続きを経ないで開示しません。 - ⑦セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントの排除
性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)ととられるような言動・行動を慎みます。また、優越的な立場の濫用による嫌がらせ(パワーハラスメント)も許されません。 - ⑧私的利益の享受の禁止
会社における職務や地位を、私的利益のために利用したり、会社の財産を私的な目的で利用しません。 - ⑨政治活動や宗教活動
会社施設内においては、個々の信条を尊重する意味から、政治や宗教等の活動はしません。
(5)チャレンジドとの関係
- ①チャレンジド(障がい者)について
アメリカでは障がい者の事を「神より生きることに挑戦することを運命づけられた人達」として「チャレンジド」と呼んでおり、いなげやグループでも、障がい者の事を「チャレンジド」と言っています。 - ②チャレンジドとともに
いなげやグループ各社では健常者とともに多くのチャレンジドが働いております。それぞれが相手を理解し、助けあって仲間として受け入れています。そんな職場が、普通に当然のように存在する会社を目指していきたいと思っています。 - ③ノーマライゼーションとダイバーシティ
ノーマライゼーションはチャレンジドを特別視したり、特別扱いせず健常者と平等に一般社会で普通の生活ができるように支援するという考え方です。日本では1981年の国際障がい者年の頃から強調されてきました。また、ダイバーシティ(多様性)は人が本来持つ違い(人種、性別、年齢、障がい)を多様性として認め尊重することによって、社会や組織の中に受け入れ、活かしていこうとする考えです。
いなげやグループが進めるチャレンジド雇用もノーマライゼーションとダイバーシティを大切にしています。 - ④障がいについて知る
チャレンジドと一言で言ってもその障がいの範囲や程度は人によってさまざまであり、そのため支援の方法も一様には対応できません。
障がいの種類は大きく分けて法律上3つに分類されます。身体障がい・知的障がい・精神障がいです。チャレンジドはその程度により軽度から重度まで等級によって区分され、障がいの認定を受けた人は障がい者手帳を発行され、さまざまな支援を受けることができます。 - ⑤チャレンジドに対する差別の禁止
募集・採用・賃金・配置・昇進・教育訓練・福利厚生・解雇等においてチャレンジドであることを理由に差別してはなりません。
(6)社会との関係
私たちは、すべての人の基本的人権を尊重し、地域社会や環境に配慮し、社会から信頼される企業となるよう努力します。
- ①人権及び個人の尊厳の尊重
いなげやグループがかかわるすべての人の人権と個人の尊厳を尊重し、国籍・人種・宗教・性別・年齢・社会的身分・障がいの有無等による不当な差別やハラスメント(嫌がらせ)を行いません。 - ②地域社会との共存共栄
地域社会と協調を図り、会社の経営方針や事業活動に対する地域社会からの理解を得られるよう努めます。 - ③環境への配慮
環境保全に関する法令等を遵守し、省エネルギー・省資源・廃棄物の削減・リサイクルに取り組み、環境への負荷の低減に努めます。 - ④政治や行政に対する姿勢
政治や行政に対し、健全でクリーンな関係を保つため、法律や条令等を守り、節度ある関係に努めます。 - ⑤反社会的勢力への対応
反社会的勢力や団体からの不当な圧力には屈せず、毅然とした態度で臨みます。また、社会から誤解されるような関係はもちません。
3.コンプライアンスに基づく
コーポレートガバナンス体制
コンプライアンスとは、「法令遵守」だけに限らず、社会規範や倫理、道徳までも含めた広い概念です。
私たちを取り巻く環境は大きく変化しており、企業倫理の欠如や法令違反による企業不祥事は社会からの信用を大きく失うことになります。
企業は、高い企業倫理の確立を通じて、永続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、最適な経営体制の構築と適正な企業運営を行うことが必要となりました。
コーポレートガバナンスとは、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みです。
(1)通報・相談体制

[いなげやグループコンプライアンス委員会]
いなげや及びグループ各社からの委員で構成され共同してコンプライアンス活動を推進します。
(2)通報・相談窓口
いなげやグループでは、法令・社内規程・考働基準・企業倫理等に違反する事項について、通報・相談いただける窓口を設けています。社外の方からの通報・相談窓口及び従業員用の窓口をそれぞれ設置しております。通報・相談につきましては、事実確認及び調査を行います。
お知らせいただきましたお名前・ご連絡先等は、通報・相談の回答のために利用させていただくもので、それ以外の目的で利用することはございません。なお、個人を特定する情報は、適正に管理いたします。
社外の方(お取引先様等)からの通報・相談窓口
書簡〒190-8517 立川市栄町6-1-1
いなげやグループコンプライアンス委員会 委員長 宛
※商品、サービス及び接客等に関するお申出・ご要望につきましては、
「お客様お声係」(フリーダイヤル:0120-017-982)へご連絡ください。
いなげやグループフィロソフィとして大切にしている言葉(造語の定義)
- 1.すこやけく
- 「すこやけく」とは、「健やか」と「希求(けく)」をあわせて「すこやかなことをこいねがうこと」を意味します。
- 2.人財
- 「人財」とは、いなげやグループの全従業員は会社の財産であるということを意味します。
- 3.考働
- 「考働」とは、自ら考え働くことで会社の発展と自己の成長に結びつけていくことを意味します。
いなげやの願い
-ブロンズに寄せて-
私たちのいなげやは、心身ともに健全な人間集団を目標としております。
それゆえに、いなげやのある街、いなげやの出店する街に、健康で豊かな暖かい心を育みたいと願っています。よりすこやかな日常生活、よりすこやかな社会の実現に向かって、企業を通じて貢献することは、私たちの使命であるはずです。
「すこやけく」というブロンズの題名は、この願いを社内だけでなく、社会に対して公表するものです。高遠な理想をブロンズに託して高くかかげるいなげや、そしてその理想をみずから実践するいなげやマンの誇りを胸に、私たちは力を合わせて、いっそう心のこもった地域社会へのご奉仕に邁進してまいります。
