なす〜和・洋・中からイタリアンまで活躍!「なす」
 「なす」は年間を通して出回っていますが、夏から秋にかけて露地物が旬を迎え、いっそう甘さやみずみずしさを増します。和・洋・中からイタリアンまで幅広い料理に活躍する素材ですので、ぜひ旬の味を楽しんでください。

 
 「なす」は奈良時代にすでに食されていた記録がある伝統的な野菜です。各地方で多くの品種が生まれ、その数は170種類以上もあるといわれています。代表的なものに、長なす、卵形なす、丸なす、水なす、小なす、米なすなどがあり、味わいや実の硬さ、水分量などに違いがあります。現在最も多く出回っているのが、適度な大きさで味にクセがなく使いやすい長卵形なすです。

 
 「なす」は"茄子紺(なすこん)"という色名もあるほど、黒に近い紫色の表皮が特徴です。この色は太陽の光が当たるほど濃くなります。黒紫の色素はナスニンというポリフェノールの一種で、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。ポリフェノールには体を冷やす作用があり、夏のほてりやのぼせなどを冷ましてくれます。"秋なすは嫁に食わすな"という言い伝えは、体を冷やし過ぎるのを心配した言葉だともいわれています。露地物が多く出回る旬の「なす」は、その濃い紫色に太陽の恵みをいっぱいに秘めているといえるでしょう。

 「なす」はアクの強い野菜で、空気にふれるとすぐに酸化が始まります。切ったらすぐに水につけ、使う時は水気をよく拭き取りましょう。「なす」は油との相性が良く、炒めたり、揚げたりすると、コクや旨味が増すだけではなく、美しい皮色に仕上がります。焼く時は水分とともに旨味を逃さないように強火で手早く焼くのがコツです。また、「なす」の表面にゴマ油を塗ると香ばしさとともに旨味の蒸発も防げます。

 ヘタの切り口が黒ずんでおらず、チクチクとしたトゲがあり、皮がツヤツヤしているものが新鮮です。「なす」はしぼみやすいので、なるべく早く食べるようにします。保存する場合は新聞紙に包んでからラップをして冷蔵庫へ。5℃以下で冷た過ぎると皮が硬くなったり、風味が落ちやすくなるので気をつけましょう。
 「なす」は、栃木や群馬などの近県が産地のものも多く、旬の時期は価格も手頃になりますのでぜひ上手に使ってみてください。