この季節、庭先や校庭にヤナギの枝に雪が積もっているように真っ白な
小花をびっしりと付けているのが「ユキヤナギ」です。
寒さの厳しい冬を乗り越え、春の足音が聞こえるこの時期に咲くその風情は、
季節はずれの雪景色のように見えます。
 今は春のお花見といえば"桜"ですが、江戸時代の前には「ユキヤナギ」を
楽しむために、多くの人々が山や野原に出かけていったといわれます。
「ユキヤナギ」は小さな白い花がお米のようにも見えることから、小米花
(こごめばな)、小米桜(こごめざくら)とも呼ばれています。
「ユキヤナギ」も桜も同じバラ科の仲間であることから、そのあでやかさは
共通することが多くあるのかもしれません。
 「ユキヤナギ」は関東以西の川沿いの岩場などに自生しているのをはじめ、
公園や庭園などに植えられています。高さは1.5〜2メートルほどで、
枝の先がヤナギのようにしなって垂れ下がる様子はとても風流なもので、
生け花などに利用されている「ユキヤナギ」を見る機会も多いことでしょう。
英名では「スパイレア」といい、ギリシア語で「花冠」をさします。
よくしなる枝をクルクルとまるめただけで清楚な花冠ができることから
名付けられた名前だと言われます。
 「ユキヤナギ」は白い小花が終わっても、夏のあざやかな緑や秋の紅葉まで
一年を通して楽しめる木です。家庭の門柱のそばや公園の遊歩道の縁どりなどに
優しい存在感を示しています。卒業や入学のこの季節、記念写真のフレームの
中に、雪のような白さで祝福するように納まっている「ユキヤナギ」が映っている
かもしれませんね。