元旦の朝、お屠蘇よりも少し早くいただくのが「福茶」といわれるお茶です。
本来はその家の主人が新年の最初に汲んできた「若水」を沸かして飲むお茶の
ことをいいます。鎌倉時代や室町時代に広まったお茶を楽しむ習慣は、新年に
飲むお茶に幸福を託すことにもつながったといわれます。
日本人は水を大切にし、井戸がある地方ではお正月に井戸にもお飾りや
お供えをして、一年間の暮らしに使う水に感謝を込めたということです。
現代の暮らしでは井戸のない家が多く水道に頼っていますが、暮らしと命を支える
水への感謝を込める気持ちは同じですね。
元旦の朝いちばんにおとうさんの汲む「若水」で、家族に「福茶」を入れて
あげると一年をスタートする気分もひきしまるのではないでしょうか。
「福茶」には縁起の良い次のようなものをお好みに合わせて茶碗に入れ、
ほうじ茶や番茶を注ぎます。
●塩昆布
昆布は"よろこぶ"に通じます。細く切った塩漬け昆布を入れて、お茶を注ぎ
ます。塩気があるので、好みに合わせて適量を入れます。
●小梅
梅の酸味が胃腸を目覚めさせます。赤い実がめでたさを表現しています。
●ちょろぎ
黒豆に添える食材としておなじみのちょろぎは、シソ科の植物の地下茎が発達
したものです。紅白のちょろぎを入れるといいでしょう。
●金箔
新年にふさわしくあらたまった気持ちにさせてくれるのが金箔です。ビン入りで
市販されている金箔を利用すると、おせち料理の飾りなどにも使えます。水気の
ついていない箸を使い、飛ばないように茶の表面にそっと浮かせます。
「福茶」はさっぱりとして飲みやすいので、お正月のお客様へのおもてなしにも
喜ばれることでしょう。元旦の朝、「福茶」を飲みながら、「若水」の話などを
家族にお話してあげるといいですね。