夏から秋にかけて、一夜限り開く花として有名な「月下美人」。
その名を知っていても、実際に咲いている花を見たことのある人は
珍しいかもしれません。人知れず夜開く一夜花であり、その花の
姿を見ることはとても希少です。
 「月下美人」はサボテンの仲間で、緑色の多肉質の葉をもっており、
エキゾチックな大輪の花を咲かせます。
「月下美人」は夕刻から一輪の蕾がほころび始め、夜8時頃には20cm
前後の大きさに開き切り、その花から甘い香りが漂うといわれます。
そして、深夜1時頃には早くもしおれ始め、翌朝には花は完全に
しぼんでしまいます。
 「月下美人」の開花に立ち会うためには、日頃からの観察が必要です。
その蕾はツルのように伸びた茎の先にあり、いつもは垂れて下を向いて
いますが、咲き出す数日前から上向きになるといわれ、これが開花を
知らせるサインとなります。
 さまざまな技術が進んでも、「月下美人」を昼間に咲かせることは
まだできないといわれます。しかし、植物の交配技術のおかげで、
「月下美人」の実は現在は食用となっています。その実とは、真紅の皮に包まれ、
中を開くと白い果肉に黒い種がたくさん散りばめられているドラゴンフルーツと
いう果実です。甘酸っぱいトロピカルフルーツとして人気があり、味わえる
チャンスも増えてきています。
 幻の花と呼ばれる「月下美人」は、とても不思議な魅力を持った植物です。
この夏に、もし開花を見るチャンスがあったら良い思い出となることでしょう。